プルノットは、アルプスの山々に囲まれたイタリア屈指のワイン産地、ピエモンテ州でバローロ、バルバレスコを中心にワイン造りを行う100年以上続く老舗ワイナリー。世界市場でも知名度が高く、現在はイタリア屈指の名門アンティノリがワイナリーを所有し、質の高いワイン造りを守り続けています。1923年、第一次世界大戦後、経営の厳しかったランゲ・ワイン協同組合をアルフレッド・プルノット氏が買い取ったことから、プルノットの歴史は始まります。アルフレッド・プルノット氏は、経営者としてだけではなく醸造家としても手腕を発揮し、当時の世界市場でも著名な生産者として知られるワイナリーでした。様々な畑のブドウの混醸が一般的であった当時のピエモンテにおいて、プルノットはクリュの概念を初めて導入したパイオニアの一人でした。クリュとは、特定のワインを生み出す畑、またはそこで収穫されたブドウから造られたワインのこと。まさに谷に囲まれたランゲ村は、畑ごとに日当たりも傾斜も土壌も異なる「マイクロ・クライメイト」でした。しかし、ピエモンテでは農地の所有者であるワイン生産者と、畑の手入れをする農家が別で、買い入れたブドウでワインを造ることが一般的であったため、自由にブドウを買い集め混醸し、たくさんのワインを造ることが優先されていたのです。そのためプルノットがリリースした単一畑の「バローロ・ブッシア」は、バローロの品質を劇的に向上させるきっかけとなる、非常に革新的なワインだったのです。30年以上に渡りプルノットを守ってきたアルフレッド氏でしたが、1956年に勇退。友人である醸造家のベッペ・コッラ氏にワイナリーは引き継がれ、そして1989年プルノットは、当時から販売協力関係にもあったアンティノリに引き継がれます。
ビン下部分、出っ張り(変形)部分あり。